マーケティング思考とキャリアアップの秘訣を学びます
こんな人に向けて書いています。
・マーケティング思考を身につけたい人
・マーケティングを武器にキャリアアップを目指す人
この本の目的は、個人も会社もビジネスで成功するためのカギである「マーケティング思考」を伝えることと、筆者が体得してきた「キャリア・アップの秘訣」を伝えることです。
USJの成功の秘密はマーケティングにあり
会社からマーケティングに期待される第一の仕事は、トップライン(売上金額)を大きく伸ばすことです。
マーケティングは消費者の心理を読む専門家として、消費者価値を最大化するための最善策を部門の利害を超越して主張し、実現へ向けてけん引しなければなりません。
マーケティングは会社の「頭脳」でもありますが、それと同時に多くの部署を動かす会社の「心臓」の役割も担ないます。
変えたのは1つだけ
「消費者視点(Consumer Driven)」という価値観と仕組みにUSJを変えたことです。
USJが消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力です。
会社側のどんな善意も、消費者に伝わらないのであれば、その行為は一切価値がない。そういう意思決定をできる会社がConsumer Driven Company(消費者視点の会社)です。
「ユーザーが本当に喜ぶもの」と「ユーザーが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は必ずしも一致しません。マーケティングがなぜその重要な役割を担うにかと言えば、マーケターは消費者理解の専門家だからです。USJは消費者視点を大切にして、作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社に変わりました。
マーケターの仕事は、会社の製品やサービスを、消費者にとって意味のある価値に繋がるようにシフトさせることです。つまり、部門間の利害やしがらみを叩き潰し、消費者価値としてのベストを押し通す強力な意思決定を持ち推進する部署が必要だからです。
マーケティングの本質とは何か?
「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事。
マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」
⇒消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにする。
売れる仕組みは消費者とブランドの接点をコントロールして作る。
マーケターの最初にやるべき重要なこと
「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること、そして正しい方向へ会社を無理やりにでも引っ張っていくこと
消費者との3つの接点
①消費者の頭の中を制する・・・認知率(Awareness)
②店頭(買う場所)を制する・・・配荷率(Distribution)
③商品の使用体験を制する
①消費者の頭の中を制するには、自ブランドの認知率を高め、選ばれる必然になるようなブランドエクイティを意図的に構築する(ブランディング)。
②店頭を制するためには、消費者が自ブランドを購入する可能性を最大化させるように配荷率、山積率、価格などの展開に注意しなくてはいけない。
③商品の使用体験を制するには、消費者価値を上げる商品開発をマーケティングがリードしなくてはいけない。
マーケターはパーチャスフローを使って目的達成への必要条件を導き出し、まるで流れの悪い川の治水工事をするように流れを塞ぎ止めているビジネスドライバーを改善して広げていきます。
まとめ
マーケティングは会社の「頭脳」でもあり、それと同時に多くの部署を動かす「心臓」の役割も担ないます。マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」。その目的を達成するためには、関係部署とのしがらみを叩き潰し、会社を牽引していくパワーと情熱が必要な仕事であります。
このやりがいのあるマーケティングの勉強をさらに詳しく後編でします。
【前編】はここまで
参考図書
USJを劇的に変えた。たった1つの考え方
盛岡 毅 著