インターネットの普及によりPCが1台あればどこにいても仕事ができる時代。企業に就職する、フリーランスとして生きる、会社員を続ける、いろいろな選択肢が選べる時代になりました。
多様な職業が選べる現在、まだ、将来を決めかねている人に読んでもらいたい内容です。
こんな人に向けて書いてます。
就職するか、フリーランスになるか悩んでいる人
仕事に張り合いがなく会社を辞めるか悩んでいる人
この本の著者は、大泉洋さんが出演していた伝説の番組『水曜どうでしょう』のディレクター二人です。やりたいことをやり続けるのであれば「会社員」であれ、が持論の凄腕ディレクターです。
この二人が「仕事論」と題して持論を展開していきます。
会社とは何かを考える
人は組織の中でしか生きられない
人間はもともと組織で生活する生き物だったし、そのための能力も高まっていった。そしてだんだんと社会が発展していく中で、人が所属する組織はみんなで利益を追求する「会社」に変わりました。そう考えてみれば、会社の中で働くのはごく当たり前のように見えます。
その一方で、給料が安い、やりたいことができない、飲み会などの付き合いがある・・・普段から様々な不満をもち仕事を続けている人もいます。
この敏腕ディレクター2人は、会社組織に属しています。その中で、自分のやりたい番組を企画し、制作してヒットを生み出してきました。
組織には必ず不満や不足があります。それで辞めちゃってもしょうがない。みんなそれぞれ何かしらの不満と折り合いをつけながらやっています。
やりたくないけどやらなければならない仕事があります。そこで「独立できる」と思っていると、「なんで俺がこんなことをやらなきゃいけないんだ」「もっとすごいことができるんだ」と考えてしまいます。
そして「自分のやりたいことは会社のなかではできない」といいます。
こういう番組を作りたいと提案する
⇒ それは今までに前例がないから、と言われてしまう。
⇒ この会社ではやりたいことがやれないと辞めていく人が多い。
自分の思うものを作りたいという熱意はあるように見えるけれど、それなら今の会社で通す方法を考えたほうが早い。果たして転職してやれるのでしょうか。甘くはないと思います。
できないことはできないと言う。
無茶な指示を断れないのは、深く考えていないからです。具体的になぜ無理なのかを説明できないから、「ひょっとしたらできるかもしない」と弱気になって受け入れてしまうからです。スケジュールをちゃんと作っていないから、どのあたりで破綻してしまうのかが分からないのです。
だから、上司から押し切られて「受けます」ということになってしまいます。
環境は必ず変えられる
組織への依存から抜け出す
考え方が違う人たちの中でやっていかないといけないことが、会社の難しいところです。
会社のあれがおかしい、これが不満と思いながらも、続けているうちにいつの間にか慣れてしまう。そして、必要のないことに時間を使っている人がたくさんいます。
「うちの会社は面倒だから」って文句を言いながらも、甘んじて受け入れる。酒を飲みながら、上司の悪口を言っているけど、具体的なアクションは起こさない。
それでほかに良い条件の会社があればそっちへ移るから、結局、その会社にある問題点は改善されません。
やりたいことはすぐにわからない
20代は我慢するしかない。
自分のやりやすいように、環境を変えていく。でも忘れてはいけないのは、それにもタイミングがあるということです。まずは上司の言う通りにして、5年後、10年後に判断して欲しい。そこで自分の中で理屈を見つけて、本当に必要ないって思えるなら、堂々とやらないって言えばいいんです。
20代で仕事や現場の不満を持っているのなんて、当たり前です。20代は職場になれる時間、学びの時間、経験を積む時間です。自分がいる所にどんな意味を見出すかということは、どんな職種でも大切なこと。我慢して仕事をする時期にどんな意味があるのかっていうことがわかる時が必ず来ます。
ずっと働き続けるのだという自覚
問題は30代に入ってからです。そのときに、自分の仕事というものを真剣に考えてほしい。
不自由な環境に慣れてそのまま30年過ごすのか、自分がやりやすいように変えるのかが分かれ道です。
40歳を超えれば、自分の力で職場環境を変えられるという前例を、下の人たちに示さなきゃいけない立場になる。自分がその年齢になったときには、前にならえじゃなくて、自分の思うように職場を変えることができる。
そうした新陳代謝みたいなことが出てくると、とても良い組織になってなっていくのだと思います。
まとめ
20代はやりたいことがないかもしれないし、できないかもしれない。そこで、会社を上手に利用する。
「目指すべきは共生生活」
ある程度経験を積んだところで、会社の環境を変える。そのとき自分の意識を変えることで、やりがいのある仕事ができるようになります。会社を利用しようとする意識を持つことです。
会社にもたれかかるのではなくて、しっかりと自立してメリットを交換し合う。
そうした、会社との共生関係みたいなものつくることが、本来、会社員の目指すべきところだと思います。
現場で働く人間が意志をもって働きやすい環境を作っていけば、そして一人ひとりが自分の頭で考えて仕事を楽しいものにしていこうと判断すれば、いつか会社全体の雰囲気も良くなっていきます。
参考図書
仕事論
藤村忠寿/嬉野雅道 著